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day after day & 武松昭男のphoto日記

おざなり感

9月3日の日曜日、消防団の一員として地域防災拠点の訓練に参加。
新たに4つの体験訓練の項目も加わり、関心を高めてもらうような工夫がされていました。

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写真の真ん中に女性2名が座っているマットは自宅が倒壊の恐れがある場合、防災拠点の体育館に避難したときに配布されるもの。大勢の避難者が体育館に押し寄せた時、このマットが最大1名分の広さになります。数日ここで過ごすのであれば、この広さが生活スペースとなります。家屋の被害状況にもよりますが、甚大な被害時では横浜都心部の防災拠点に避難してくる人々を全員受け入れることは困難です。都心部には頑丈なビルが多くあり、倒壊、損壊の被害も木造住宅よりは小さいと想定して、ちかくの頑丈な建物へ避難する様に呼びかけていますが、現実の災害時ではやはり防災拠点の避難所へ住民が押し寄せてくる事になるのではと思います。実際にマットに座ったり、寝そべったりする機会が地域のケアプラザやコミュニティハウスで体験できるようになるといいなと思います。


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訓練会場の小学校には下水直結式仮設トイレが設置できるようになっています。災害用トイレと書かれたマンホールのふたをずらし、簡易トイレ用のパネルを組み立て、便座をセットして完了。なにもかもが非日常となる避難生活、これまでの災害でもトイレの課題はいつもついてまわっています。自宅にはパック式の簡易トイレを備えておくようにしましょう。

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私は発電機と投光器の使い方を地域住民のみなさんに教える役割。今回は従来のガソリン式の発電機にガス式の発電機が加わりました。このガスカセット式は、家庭用の卓上コンロを使うような感覚で操作できるので女性でもあつかいやすい発電機です。静音設計で少ない手順で始動も可能、ハンディタイプなので移動もそこそこ楽にできます。ただ、ガスボンベなので連続使用時間はガソリン式と比較すると劣りますし、出力合計900Wなので電子レンジなどはNG。これを機会に、消費電力だけではなく、電化製品を動かす際の起動電力量なども知っておくと、いざ災害の時に発電機を壊さなくて済みますよ。


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このコラムのタイトルを「おざなり感」としたことについて・・
事前配布された資料には訓練時間は9時30分から11時30分と記載されていました。ただ、どういうわけか終了時間より早めに機材の片付けが始まり、正直「はやくねっ」って感じ。一度片づけた機材を、再び準備する一幕もあり、進行には課題が残ったように思います。折角新たな体験訓練を増やしても、全部体験できなければ、或いは、体験出来るように準備、実行する調整が足りなかったように感じました。(参加した住民のみなさんが満足していればなんの問題もありません)

訓練に対する温度差は住民の中にも行政、消防団の中にも確かにあります。けれども、もし定例や慣例という意識下で実施してしまうと、かえって士気を下げてしまうように思います。特に、真剣に学びたいとか、訓練をうけたいという住民の方にとっては、なおさらです。諸々のアナウンスする際も「あー」「えー」という、しまりのない言葉を発してしまうだけで、場はだらけていき、私語が絶えずざわついた状況下での説明となり消化不良気味になってしまいます。

なにも消防団のように敬礼したり、気を付け!休め!とか、ビシッ~とやってほしいということでありません。住民の参加者は高齢の方が多いので、説明も端的にハキハキと伝える工夫が必要です。防災拠点の資機材や避難グッズを紹介、操作、体験してもらうだけが訓練ではありません。

避難所をちゃんと機能させる為に、様々な注意事項を聞いてもらう場づくりだって立派な訓練です。実際は混乱した状態で住民の心身を気遣わなければなりません。
まだまだ防災は自助・公助・共助の精神で支え合うものだから、訓練には集まって当然!という意識がやっぱりあるのかなぁ~ それと前例に沿って実施しておくことが重要になっているのかもしれません。
色々と考えさせられる防災訓練となったので、かつて実施していた防災セミナーも復活してみようかなと思います。







by AKIO_TAKE | 2017-09-04 09:34 | 防災