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day after day & 武松昭男のphoto日記

慢心を剥がす

ビジネスパーソンにオススメというPRそのままに、仕事にも、そして暮らしにもいろいろな示唆を与えてくれる一冊です。運行事業という観点からトラック運送事業者にも通じる安全・安心の実践事例や考え方、事故事例の用い方はとても参考になります。第一章冒頭からの「資質のない者がいてはいけない世界」など、時折出てくる鬼教官的な表現が小気味良い分、脳裏にもしっかりさ刻み込まれてスラスラと読了できました。

多くの事故では、事故を起こした当事者も漠然とだけど異常に気付いており、それを何らかの理由をつけて自分を納得させて、オペレーションを継続して事故に至ったケースも多々ある、という一文は、トラック事故はもちろんのこと、企業経営の面からもハッとさせられます。
うまくいかなかったときに、自分が納得する理由を探し、「えっ、そこ」という理由を聞かされると、もしかしたら他責の文化が熟成されつつあるのかなぁと、心配になる・・つい最近もそんな経験をしたたばかり。

飛行機の運航にとって安全は絶対に確保するべき重要事項であるが、安全が確保された段階では安心も重要である。
正直に事実を伝えること、甘い予測をしないこと・・搭乗者の不安を取り除き、安心感を与えるために機内アナウンスの鉄則の紹介なども、企業内の連携をスムーズにする具体例・実例として取り入れられそうです。

また地球温暖化の真の問題は気温の上昇ではなく、気象が乱暴になること。という表現もパイロットならではの捉え方だし、気づきはどの分野にも転がっているんだなということを実感した本です。

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by AKIO_TAKE | 2019-03-03 21:26 | book