2020年 01月 17日
古文書
2014年発刊の本書あとがきより・・
これから備えるべき自然の危機は3つある。
第一に、地震津波などの地学的危機。
第二に、地球温暖化に伴って台風や集中号が激化することによる風水害・高潮・土砂崩れなどの気象学的脅威。
第三に、世界の人的交流の進展やテロの可能性が高まり、抗生物質耐性菌・インフルエンザ・出血熱など感染症学的危機も高まってきている。
第二は、昨日投稿したオーストラリアの森林火災、第三は、中国・武漢で発生したとされる新型ウイルスによる感染症、第一は、この一週間以内に沖縄や九州で発生している地震と、備えるべき自然の危機はすべて現実のものになっています。
本書の著者は「武士の家計簿」の著者でもある、磯田道史氏。武家文書の調査をしながらも常に災害史が頭にあったので、地震や津波の史料があれば収集し、その積み重ねの成果が本書と記されています。人物史から災害を焦点を当てているので、災害の発生前後や災害への備え方の人心が物語的に伝わってきます。まさに先人の知恵に学ぶ「防災」が描かれています。
古文書の保管や古人の叡智の継承が、いかに重要で、そして現代に生きる人々の命を救うことができるかを痛感します。
最後に、阪神・淡路大震災から25年が経ちました。あらためて犠牲者の方々を偲び、哀悼の意を捧げるとともに、ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
出版社: 中央公論新社
ISBN-10: 4121022955
ISBN-13: 978-4121022950
発売日: 2014/11/21
by AKIO_TAKE
| 2020-01-17 17:06
| 防災