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特別に設けられた措置をめぐって

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更新が滞ってしまいました・・・すみません。

さて、
戦後の高度成長期に伴い、大量消費、大量廃棄がごみ問題として顕在化し、そして、ごみの焼却そのものが公害の発生源と考えられたことから、1970年の公害国会で廃棄物の排出抑制と処理の適正化により、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的とした法律、廃棄物処理法が制定されました。

一方、日本には「江戸のリサイクル」という言葉があるように、業者としての数は減少傾向にあるものの、400年も前から古紙やあきびん類、くず鉄、古繊維を専門に回収する業者さんが存在し、2013年の今でも「もっぱら業者」と呼ばれて、商いを受け継ついでいます。
(古紙、くず鉄、あきびん類、古繊維類の4つの品物をさして「もっぱら4品目」と言い、再生利用することを専門に行っている業者さん「もっぱら業者」といった呼び方をしています)

廃棄物処理法を制定する際、「廃棄物処理業」を行うためには、業を行おうとする区域の都道府県・政令市に許可申請を行い、処理業の許可を取得しなければならないという決まりとなりました。

廃棄物処理法の業の許可を取得するには金銭的な負担や書類作成の手間もあり、廃棄物は取り扱うが再生利用を目的として商いをしている「もっぱら業者(既存の回収業者)」の存在をどう位置づけたら良いのか。そうした検討課題が残りました。

「もっぱら業者」さんは家内工業的な色合いが濃く、ほとんどが個人商店として、或いはそれに近い存在です。2013年の今でもその傾向はつよく残されています。

結果、廃棄物処理法上で廃棄物に該当するけれど、制定以前から「もっぱら再生利用の目的となる廃棄物」を取り扱っている既存業者さんを保護することを目的として、既存の回収業者等は許可の対象にしないという「特例措置」を設けることになりました。誰かが不要なものといっても粗略に扱われる心配がなくなるというところを何かしらの形で担保する特例措置を取ったのです。

廃棄物処理法制定から約40年が経ちます。この年月の中で廃棄物の再生利用も進み、なにより社会全体の環境保全意識も上がり、廃棄物、すなわち「ごみ」として燃やしたり、そのまま埋め立てたりする量は随分と減ってきました。「もっぱら業者」の周辺環境はまさに激変し、その変わり方はこれからもっと速くなると予測されています。

そうした状況の中、40年前の特別に設けた措置は2013年の今でも機能しているのか、特例の役目を果たしているのか。市民のみなさんからすれば、とてもわかりづらい業界の仕組みや制度を残すことが本当の未来の自分たちのためになっていくのか。いやいや、物を繰り返し使うという美徳、商い習慣を簡単に捨ててしまうのは、日本古来の伝統文化を捨てることにもなり、もっぱら物を通して貢献していた「地域形成」を崩壊させかねないリスクがある。

先日、神奈川県内でもっぱら業者さん、廃棄物処理業者さんで構成される団体で、「もっぱら物」をテーマとして、この特例措置を残すべきか、それとも、特例の定義は不要とすべきかというディベートの講師及び進行を務めさせていただきました。

いまも変わらず、もっぱら4品目だけを集めて生計を立てていらっしゃる方からすれば、生活の拠りどころとなる特例です。ただ、時代に変遷ともに特例の効力が弱くなってきていることも肌で感じていらっしゃる。

改めて環境省に特例措置のこれからについて問い合わせたりしましたが、担当課からは硬い回答しか戻ってきませんでした。でもそれは、ある意味、現実と乖離している現状故という苦しい回答、と風にも読み取れました。それだけ廃棄物行政は法体系の厳しい分野で、影響の及ぶ範囲も広いことを示している、と思います。

次回は、テーマを変えてディベートを実施する予定です。視点、見方を変えながら、自分たちの意見のデメリットと反対意見のメリットを考えられる力をつけていきたいと思っています。
by AKIO_TAKE | 2013-10-11 01:47 | work