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day after day & 武松昭男のphoto日記

ある意味、素人発想。

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横浜市経済局主催の技能職者経営力講座に、日本で初めて芋麹100%焼酎を発売した国分酒造(株)の笹山社長がゲストスピーカーとして登壇されるので、商品開発、販路開拓の勉強として参加してきました。

今の芋焼酎づくりの原型をみたのは明治30年代の頃で、一次仕込みは米麹をつかい、二次仕込みでさつまいもを仕込む製法によって失敗が少なくなり焼酎づくりが安定するようになったそうです。そして時は流れ、需給調整規制があった酒類小売業の免許が段階的に緩和される数年前から酒屋さんの経営も厳しい状況下に置かれるようになり、地元の酒屋さんから「芋焼酎なんだから、芋麹100%でできないか」と依頼されたのが、そもそものきっかけだったそうです。つくり手の常識からすれば芋焼酎は米麹とさつまいもでつくっていたので、芋麹100%は非常識であり、最初はお断りしたそうです。

しかし、間近に迫る規制緩和を前に、なにもしないことを恐れる酒屋さんの熱意に押され、「芋麹」づくりへの挑戦を始めました。とは言っても、麹づくりの前にすべきことがある。それはつくり手側の非常識と言う固定概念を打ち破ることとリスクの恐怖に打ち勝つこと。やはり、1年目・2年目は苦労の連続だったそうですが、芋麹100%なのに淡麗でスッキリとした切れ味と飲みやすさに加え、味わい深くなった3年目は「これはいける」と確信した仕上がりになったとのこと。

地元の酒屋さんの、ある意味素人発想が功を奏した焼酎と表現していましたが、なにごとも「コトのはじめ」は過去にはない発想から生成されるものですね。
さて、日常のPRで心がけていることは、1.お金をかけない 2.口コミ 3.伝えていく努力(酒販店との二人三脚)。販路開拓で印象的だったのは、むやみやたらな新規開拓は時にはマイナスに。断わったりする勇気も必要の言葉・・国分のラベルを守るためには欠かせない経営力。

なにもしないことを恐れ、そして、むやみやたらな拡大路線はとらない。こうした酒屋さんと国分酒造さんの関係が飽くなき探究心を育み、存分に楽しめる焼酎をつくりだすのだと思います。とても参考になった講座でした。



by AKIO_TAKE | 2017-11-24 05:27 | look/gaze