歩く必要がなくなってから

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JR京浜東北線「石川町駅 南口(元町口)」
すでにバリアフリー化されている同駅北口(中華街口)に続き、南口ではエレベーター・多機能トイレ整備のため駅舎内の改良工事が行われています。
南口の改札を出て下町風情の残るアイキャナルストリート(旧石川商店街)を200メートルほど歩くと元町商店街(町名は中区元町)です。横浜が開港してまもなく、元町の隣町にあたる山下町と山手に外国人居留地が設けられました。この両地域の居留地を結ぶ町となった元町は外国人が行き交うようになり、明治時代になるとさらに居留者が増えて、外国人相手の商売も盛んとなったことでインターナショナルスクールの開校や洋服、洋家具など「洋」を基調とした商いの町が形成されてきました。

石川町駅南口から元町商店街に入って約600メートル進んだところに、2004年、新たな公共交通のみなとみらい21線が開業し「元町・中華街駅」という駅ができました。営業キロは4.1キロメートルと短いのですが、軟弱な地盤で、かつ、都市での地下路線建設となったため工事費が非常に高額になったとされています。
元町商店街も中華街も新たな公共交通に期待を寄せ、開業14年が経過した今日、路線の年間乗降客は右肩上がりを続け、「元町・中華街駅」の乗降客数も伸びているので、輸送力アップの恩恵をうけていると思います。

この新たな公共交通の整備により、他の都市や町からヒト・モノ・カネを吸い寄せるストロー現象も起きたはずです。ただ、かつては、という表現をそろそろ用いて新しいポテンシャルづくりが急務かなーと気になる昨今です。時代も移り変わり、以前のようにストローで吸われてしまうのは県をまたいだ都心部と地方都市とは限らず、みなとみらい地区と横浜駅、伊勢佐木町と横浜駅なんていう距離で起きています。こうした現象はなにも最近始まったことではなく、もうかれこれ10年くらいの年月はあっさりと過ぎていると思います。販売者がよりたくさんの選択肢を提供できて、地域にどれだけ魅力があるか否かを消費者は見抜くし、つまらないやと思われてしまえば消費は逃げていきます。そうした意味においては横浜開港の地である、と謳う周辺の地域もかつてを懐かしんでいる余裕はないのかな、と思ったりしています。

今日の投稿のきっかけは、石川町のビジネスパートーナーが「元町・中華街駅ができてから、元町商店街を歩く必要がなくなったからねぇ」と、ポツッと漏らしたから。
ああ、そうだ 確かに徒歩数分の至近距離なのに歩くことが減っているかも・・

おそらく私だけでなく、みなとみらい21線が開業する前は石川町駅を利用して元町商店街を通って家に帰ったりしながら、何気なくでも店舗の様子を肌で感じていたけれど、元町・中華街駅ができたことで、今まで通っていた街を通らなくても駅を利用することが可能となりました。石川町駅と元町・中華街に挟まれた元町商店街は、公共交通の整備によってプラス面ばかりではなく、歩かなくても良くなった、というマイナス要素もあるのではと感じています。そんなわけで、私も「元町・中華街駅」ばかり利用するのではなくて、他ルートを使うようにして改めて視野を広げる工夫を生活に取り入れなきゃ、と大いなる反省。

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赤いバスのところが元町中華街駅の入り口、写真右のウェルカムゲート「フェニックスアーチ」が元町商店街の東側(海側)の出入り口。




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by AKIO_TAKE | 2018-09-01 22:20 | look/gaze