人気ブログランキング |

マインドセットはやわらかく

実家は7代にわたって続く農場を経営し、家業を継ぐことをためらい、グリーンランドに新人教師として赴任したデンマーク人の若者、アンダースの体験を描くドキュメンタリー・アプローチ映画「北の果ての小さな村で」。グリーンランドはかつてデンマークの植民地でした。

1953年の憲法改正により植民地支配は終了。デンマークの一地方と同格の地位を得て、いまも近代化が推し進められるグリーランド。デンマークの同化政策が浸透する地方もあれば、本作の舞台となった町のように、何百年と厳寒の氷の世界で暮らしてきた人々の知恵と勇気と技術がつくりだす誇り高き暮らしが、今もなお続く地方もあるようです。

そんな地方の学校で近代の暮らし方しか知らない新人教師アンダースは、デンマークで身に着けたマニュアルに沿った授業を展開。当然ながら、赴任先の子供たちにとっての好奇心や自分たちの生活にアクセスできる教材がないので、学級崩壊同然に。本作は価値観の違いに苦悩しながら、これまで自分の行動を誘導してきた「私」のマインドセット(思考・先入観)に、赴任先のマインドセットを混成させながら、どうすれば社会に進展をもたらすことができるのかを探し出す。そんな問いが、映像から窺えました。

先述のように、本作は同化政策に「それがどうした」と背を向けているとも思える地方が舞台です。他方、デンマークとほぼ同様の暮らしを享受している地方もある。故にグリーンランドと言っても十把一絡(じっぱひとからげ)に論じることはできないと思います。
環境問題の観点からグリーンランドを眺めれば、レアアース、ダイヤモンド、銅など75種類以上の鉱物資源が地下に眠っていると言われています。この地下に眠る資源の採掘産業が本格的になればデンマークなど近隣の欧州諸国だけでなく、地球上の国々から注目を浴び、それこそ様々な価値観が否応なく持ち込まれていくはずです。

第4次産業が急速に発展してく中で、「動物と人」「植物と人」「人と人」「人と自然」など、他者との関わりに温かな交感がもてる環境保全活動を模索している私には面白い作品でした。

エンディングも良かった  https://www.youtube.com/watch?v=Nhs9nsLjUmI

a0259130_11172498.jpg
※文章作成にあたりパンフレットから文を引用させていただいています。

by AKIO_TAKE | 2019-08-13 11:19 | movie