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day after day & 武松昭男のphoto日記

つくった人の気持ちを考える

はじめに、は
「大切なことは、ルールに違反せずに「いかに創造的な仕事をするか」です。とあって、
そのために、あとがきで、
「本書をきっかけに「正しいコピペ」について知り、正しい模倣の作法を身につけてほしいです」というのが
著者の願いであり、伝えたいことかなと思います。

私もこうして日記を綴っていますが、綴ろうとしていることが理解できている場合はスラスラと書き進めたり、自分の考えを挟み込んでたり出来ますが、「未知のこと」になると、途端にキーボードを打つ動作は鈍り、yahoo!やgoogleを開き、いそいそとキーワードを打ち込み、「未知」の解除を試みた後にしか書き進められません。で、この時にやってしまいがちなのが、コピペです。ここで立ち止まり、自分の言葉で綴れるか否かは、日頃から様々なことに関心もって見たり、聞いたり、そして調べたりしているか、が問われます。やはり、まだまだ足りないなぁーというのが本当のところです。

著作権が、と言われると、つい「似ている、似ていない」「真似た、真似していない」などの視点から論が交わされがちですが、この論点では著作権法の目的である「文化の発展に寄与することから逸脱してしまうので要注意と本書では指摘しています。たしかに、黒か白かという短絡な見方の決着は、文化や社会にとって大切なことが欠落しかねないと感じているという考えも頷けるところです。

時の流れとともに「模倣」という行為に対しての接し方は変わり、さらに今後は様々な社会生活で、過去のデータから最適な模倣を見出す(それだけではありませんが・・)AIの本格的な運用がスタートすることも視野に入れておかなければなりませんね。

法の順守は、その通りである。しかし、ルール(法)側が時代の要請や実態にそぐわなくなってくることもあるし、なにより、ルール表記が万人にとって理解しやすい配慮が望まれるという主張は、まったくもってその通りだと思いました。


つくった人の気持ちを考える_a0259130_13100004.jpg

出版社 岩波書店
発売日 2017/3/23
新書 224ページ
ISBN-10 : 4005008496
ISBN-13 : 978-4005008490

by AKIO_TAKE | 2021-01-16 23:15 | book