2021年 08月 03日
行動が先 意識はあと
他方、地球が1年間につくってくれる資源(割当資源とします)は、一度つかってしまったら返せません(※1)。割当ですから限度があるわけで・・割当以上の資源が必要になったらどうすればいいか。来年以降の、つまり未来の世代が利用するはずの資源を使うしか方法がありません。
なんだか強引な例えで、またお金の問題もそんな単純ではないので、そのあたりは寛大にご理解いただければ助かります。
お金は借りても返せるけれど、資源は使ってしまったら地球が作り出してくれるまで待たなければならない。または待っている間に不足する資源を使うとすれば未来世代が使う資源を前借りして使うしか方法が無い。
人間には代替品をつくる、という技術を持ち合わせているけれど、それらの代替品は環境に負荷を与えないと言い切れるかは不透明。
「環境保護とか言っているけれど、この状態はあなたたち人間にとってホントにいいの?」。
そんなこと地球が言う訳ないので、割当以上の資源を使っていることを広く人間に知らせ、改善した方がいいんじゃないの?と注意喚起をするため、国際シンクタンク「グローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)」が1970年より「アース・オーバー・シュートディ」という指標をつくって、地球の代弁役を担っています。
できれば1年365日かけて使ってほしい資源なのに、2021年は7月29日に使いきっちゃったと、先日発表がありました。つまり、7月30日以降は未来世代が使う資源を借りて、経済活動や人間の営みを支えることになります。
調査の数値構築にはいろいろあるので、この指標だけをもって「~しなければ」ということはないですが、さて、未来世代から資源を借りっぱなしという状況を放置してしまったら、グリーンウォッシュ(※2)につながりかねません。しかも国別で見た場合、日本のアース・オーバーシュート・デーは5月6日とされています。世界より2ケ月以上も早い!
環境の問題は意識することが難しいと言われます。理由は、いろんなことが絡み合って複雑だし、時間軸が長いし、すぐに効果が表れない。取り組んでもしょうがないじゃないの、と思うのも無理はありません。でも、どう転んでも地球はひとつですし、毎年、資源を未来世代から借りて過ごすことは、若い世代に大きな負担を残すだけになってしまいます。
意識することが難しい環境問題だから、レジ袋を削減する、小さな効果だとしてもカーボン・オフセットをやってみる、マイ箸やマイボトルを持つ、タイヤの空気圧を気にする、水を節約する、買いすぎない、繰り返し使えるモノを選ぶとか、ともあれ「個人」で「できる行動」をしておく。
それが広がって環境に負荷のかからない社会になればいいと思います。その間に各国の政府による環境施策や環境機器の技術革新も進むはずです。
確かに時間はかかるけれど・・
まずは、小さな行動を先にしておく。そして意識が高まっていく。
そんなことを考えながら「音楽×環境 対バンやろうぜ!」の企画を妄想中!
「音楽×環境 対バンやろうぜ!」テーマソング Rebirth~感情再生~
https://www.youtube.com/watch?v=jP1uMfsC2xw (※3)
(※1) アース・オーバーシュート・デーは年間の資源消費について警鐘をならす指標なので、リユース・リサイクルの論考は入れていません。
(※2) あたかも環境に配慮しているかのように見せかけたり、振舞うこと。
(※3) モノクロの静止画は「かんきょう「組写」フォトコンテスト」に応募された作品からセレクトしています。