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day after day & 武松昭男のphoto日記

ひとりには一人の光がある


世界最古の木造建築物として有名な法隆寺。この寺の修復にあたった宮大工の棟梁は、世界に冠たる建築物だから、当然名木を使っているだろうと色々調べてみた。ところが、使われているのは建築には適さない癖木(くせぎ)ばかりだったことに驚く。そして、もう一つの驚き。東西南北の柱の太さが違っていたこと。心棒となる柱の太さが違うなんて・・

中心となる木はすべて癖のある木で節がたくさんあった。それなのに千三百年ちかく法隆寺は保たれている。なぜ、このような建て方なのか。棟梁は困ってしまったのですが法隆寺創建時の資料を調べると、当時の棟梁は、木を一本一本買わずに山をまるごと買っていたことをつきとめます。山に生えている木のなかで強いものは、すらりとした木ではなく癖木なんだとか。だから癖木を使った。さらに、山の東のほうに生えている木を東の柱に、西のほうにに生えている木を西の柱にし、南も北も同じ方角の柱として使っていた。法隆寺はただの建物ではなく、山に似せてつくった建物といっていい。だから、強いのだということがわかった。これが世界最古の木造建築の秘密。

すらりとのびた木ばかりがいいのではない。みんなそれぞれに大事。ひとり一人には光がある。それぞれに意味がある。そんな大事なひとりひとりが助け合って、それぞれが持つ能力をいかに役立てて生きるかを教えるのが教育なのだと。(ここまで本文より引用。私なりの表現に変えているところあり。)

繰り返しの読書
本書の中でもなんども読んだ逸話・・背筋を伸ばしたいときに手を伸ばす一冊です。


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  • 出版社 ‏ : ‎ 致知出版社
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/11/1
  • 単行本 ‏ : ‎ 194ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 488474697X
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4884746971

by AKIO_TAKE | 2021-09-26 20:20 | book