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day after day & 武松昭男のphoto日記

end of life

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海洋汚染に対する関心は高まっていますが、いまの汚染対象の主役は「プラスチック」です。プラスチック製レジ袋も有料となり、ファストフード分野もストローを紙製に変更したり、お菓子の袋も紙製に変更されたりと、いまは脱プラスチックが海洋汚染解決の焦点になっています。人が使って捨てたプラスチック製品が河川に辿り着き、海洋に流失して海洋の汚染になっていることは間違いないので、プラスチック製品の場合はまずは人がきちんとごみとして処分をすること、または分別してリサイクル原料として排出することがもっとも重要なことになります。これをやらずして、脱プラスチックだけを叫んでいても事態は好転していかないと思います。

先日、エコノミスト・インパクトと日本財団がプラスチックではなく「海洋化学汚染」の問題を、消費者、市民社会、金融や経済・化学産業界、政府の幅広い層に理解してもらうことを目的に「有害化学物質による海洋汚染と克服に向けたビジョン・方策」を公開しました。

エコノミスト・インパクト → https://kyodonewsprwire.jp/release/202109290787

この度の公開は概要部分だけですが順次多面的にテーマを設定して「海洋化学汚染」の現状と一刻も早い改善行動を促していくようです。プラスチックはそれ自体が重大な有害物質を含んでいるものがあり、海洋に流出するまでにさらに有害物質を吸収し移動することで汚染が拡大する可能性がある。ただ、プラスチックは目に映る。故に、どれくらいの量が、どんなプラスチック製品が流失しているかがわかる。だから対策は立てやすい。しかし、目に映らない化学物質は汚染があるにもかかわらず、目に映らないので、その深刻さが認識されにくい。

重金属や残留性有機汚染物質、排水などに含まれる化学物質は、いろいろな形で環境へ流失し、土壌・帯水層・食物連鎖で検出されています。近年は、自然環境や人体に害を及ぼす根拠が明らかになりつつあり、深刻な脅威となる前に行動すべきというのが、本書の提言であり主張なのだと思います。

一般生活においても、電子機器廃棄物や排水には有害物質が含まれてることがあります。ライフサイクルの出口にあたる「処分・廃棄」する行為が、そして目に映らないものへ関心を持つ意識づくりが如何に重要かを、改めて考えさせられました。

by AKIO_TAKE | 2022-03-09 16:55 | 環境