人気ブログランキング | 話題のタグを見る

day after day & 武松昭男のphoto日記

そういう意味では自助

働き方改革の一環として郵便局は深夜の仕分け作業を廃止するので普通郵便の配達が遅くなります・・日本郵便は、事前に配達が遅れることを発表していたので「そうなのか」と心構えはできていたが、不思議なのもので「来るはずのものが来ない」と「請求書出してくれた?」とつい相手に連絡してしまう。「来るはずのもの」も今までの習慣で2、3日もすれば郵便は届くだろうと、そんな自分基準が心に染み付いている。事前に発表しているにもかかわらず・・習慣ってこわいですね。

さて、
本書は大学准教授が東京都清掃局のごみ収集車両に同乗したり、集積所の調査をしながら、清掃事業が生活に欠かせないことを理解してもらうための一定の知見を提供するものです。ごみを収集している様子は毎日同じことを繰り返しているようにしか映らない。でも、時間内に、交通事故及び作業事故を起こさぬよう、分別されていなごみや資源物の周知方法、どのルートが一番早く行政サービスとして住民に納得してもらえるか。そんな事前準備が行われていることも紹介しています。

市町村が行う清掃事業は小泉首相時代の規制改革のあおりをうけて、行政(公共)から民間へ委託する流れが加速した経緯があります。前述の事前準備をしていたものの、仕事そのものは「定型化」していたこともあり、「定型」ならば、なにも公共が担わなくてもいいのではないか。対応できる民間が請け負うことで、より住民にとって良いサービスが提供できるのではないか、コストも低減できるのではないか。そんな理由から委託したり、請負業務として民間にごみ収集の仕事が移行していきました。

行政の仕事が減少してしまう。そうした危機感も生まれ、ごみを車両に積み込む作業ひとつにしても、以前はせかせかと動いてごみをつかんで車両にどんどん入れるという作業風景は、住民にとっては話しかけづらい状況。しかし、住民からすれば区役所に行かなくても会える公務員。ごみを収集している場だから明快な答えをもらうことはなくても「住民が公務員に声をかけられるサービス」を提供できるのではないか。規制改革以降は、そんなサービスも考慮した事前準備が行わていることも紹介されています。住民といっても、ごみ集積所に出す住民ばかりではなく通りがかりの人もいるわけで、そうして人からすれば道案内をしてもらうだけでも充分嬉しいものです。

また規制改革以降、民間に事業を移行しているので新たな人員を募集する必要はなくなります。そのため、作業員の年齢構成はいびつになり、かつ、従事する作業員は減っています。ごみの収集はいつも同じ光景を見せてくれますが、働く人の高齢化は進み、一方で減少からの回復は遅くなっており、民間に移行した部分があるとは言っても、いまと同じような清掃サービスが未来永劫続くかわかりません。そう、郵便配達を例にすれば、今まで週2回の燃えるごみの収集が週1回になるかもしれません。

消費者、生活者として、サービスの頻度や手厚さが変わっていく。行政サービスもかわっていくんだろうな。慌てないように覚悟しておかなきゃと、そんな思いも抱いた一冊でした。

そういう意味では自助_a0259130_12474543.jpg
  • 出版社 ‏ : ‎ 朝日新聞出版
  • 発売日 ‏ : ‎ 2021/8/10
  • 単行本 ‏ : ‎ 288ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4022631104
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4022631107







by AKIO_TAKE | 2022-04-07 18:50 | book