
いろいろなレビューにもありますが、この邦題は首をかしげる。本屋さんで見ても、ちょっと遠慮してしまうかも・・。原題は"The Collapse of Western Civilization"で、そのまま「西洋文明の崩壊」の方が本書と「今」起きていることがより合致そして実感できるのに、と思いました。
本書は時代設定を西洋文明(1540年~2093年)の終焉から300年後の2393年とし、なぜ西洋文明は終わってしまったのかを考察するフィクションです。温暖化を中心に様々な事象を挙げて進んでいくので環境本と勘違いしてしまいそうですが、「すべてわかっているのに、なぜ転換できずにズルズルと行ってしまうのか」と人類の優柔不断さに警告を発する書です。
色々な事例の検証は必要なのかもしれませんが、現実に日々見聞きすることが列記されていて、それを放置してしまうと2093年に西洋文明が終わってしまうというものです。21世紀の技術革新は目覚ましく、AIも実用化している時代ですから、温暖化にしても様々な社会事象も見事に分析し、論評し、行動指針が提示されています。すべてわかっているのに、なぜ転換できないのか・・そこを考えるのが「今」本当にすることではないのか。そんなアドバイスをしているように思います。
目に見える事態に遭遇してようやく人類は気づくのか。だとしたら、いま行われている研究や提言はいったい何のために。いま行われている知識や知恵を活かせられるように、想像力を駆使して危機に対処する力が問われているようです。
目に見える事態に遭遇してようやく人類は気づくのか。だとしたら、いま行われている研究や提言はいったい何のために。いま行われている知識や知恵を活かせられるように、想像力を駆使して危機に対処する力が問われているようです。
出版社 : ダイヤモンド社
発売日 : 2015/6/26
単行本 : 152ページ
ISBN-10 : 4478064814
ISBN-13 : 978-4478064818