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day after day & 武松昭男のphoto日記

手放す

自分を良くしたい人は「話す」を好む / 社会を良くしたい人は「聞く」に励む

こう言っては言い過ぎかもしれませんが、私が手に取る本に一定の傾向があることを考慮しても「聞く」ことを重視する書籍に出会う確率が高いです。著者はデジタル担当大臣として毎週水曜日にオープンオフィスを開催し、誰でも著者と対話できる機会を設けています。そのほとんどが初対面。先入観を抱きやすい状況を回避するため、そして、相手が「なにを言いたいのか」「なにがもっとも重要なのか」を充分引き出すために、ひたすら傾聴に腐心し、相手の視点に立てるようにしているそうです。

こちらから一方的に話をして言い聞かせる手法は、私は変われないけれどあなたが変わってねと、相手が変わることを期待している言い方です。(危険回避をするために、この手法を必要とするときもあります)。

そうではなくて、相手を変えようとするのではなく、対話している間だけでも自分が変わり、相手の言いたいこと、解決したい本質をつかむため、ひたすら耳を傾けて人間同士のコミュニケーションの促進を図り、様々な社会課題の理解を深めたり、解決したり・・そんなコミュニケーションをしながら希望ある未来を創っていこうと提唱する一冊です。

この傾聴している間の態度として自分を手放す、という言葉が印象的でした。確かに「私はこう思う、こうしている、こうすべきでは・・」などと思いながら聞いていると、相手が話し終わった後に出てくる言葉は明白です。それでは相手の話を聞いたことにはならない、そんなことも確認できました。

それと「参加者にとって居心地の悪い場所で、価値のある貢献が生まれるという事はあり得ません」の一文があるのですが、これには激しく動揺しました(笑) 居心地って言葉は「甘えている」と同意語のように捉えられることもあるけれど、やっぱり大事なんだ。


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出版社 ‏ : ‎ SBクリエイティブ (2022/3/5)
発売日 ‏ : ‎ 2022/3/5
新書 ‏ : ‎ 224ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4815612226
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4815612221


by AKIO_TAKE | 2022-06-08 23:46 | book