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day after day & 武松昭男のphoto日記

自分のまつ毛は見えない

写真の善隣門(ぜんりんもん)が1989年のリニューアルから24年ほど過ぎようとしていた頃です。

地元の商店街組合は恒常的に牌楼の小規模修繕を行っていましたが2011年の東日本大震災を受けて、中華街の全牌楼を検査し構築物の落下事故などを未然に防ぐための補強を実施することになりました。商店街組合の末席で準備を進めていく中で「そんなに費用をかけて修繕しなくてもいいのでは」という声もありましたが、一年ほどかけて無事に修繕を終えることができました。

先日、日経電子版に、徳島県の祖谷で古民家を活用した滞在型観光業を手掛けるアメリカ生まれのアレックス・カー氏のインタビューが掲載されていました。アメリカ生まれといっても初来日から60年の東洋文化研究家です。インタビューのタイトルは「日本よ、「B級観光」から脱せよ」。これからの日本の観光は「量」から「質」に転換することが大切とし、安売り観光に警鐘を鳴らす内容でした。

カー氏の懸念のひとつに、「日本の自然環境や街並みの景観など、そういうところが大打撃を受けていること。それらの要素も大きく観光に関わっていて、ただニコニコしておもてなし精神をしていればいいというものではない。」

カー氏いわく、「日々の暮らしの中で自然とか、街並みとか、そうした伝統的なことも大事にしながら、その中で生活をしていく。それが健全な先進国であって、そういうものを無関心でバンバン壊していくのが、経済成長に必死な発展途上国ではないか」。

そして「日本はその意味で途上国を卒業していない気がして、いつまでも留年状態・・先人が残してくれた自然、素晴らしい街並みや景観を大事にしようと思うのは当たり前のこと。たぶん、先進国の中でそう考えていないのは日本だけなんだよ」と。

観光振興策として伝統や文化を大切にしようと言ってはいるけれど、本当にそう思って行動しているのか、当事者意識を持ち合わせているのか、と問われているような言葉です。

※安売り観光→「つまらないビジネスホテル、つまらないものが適当に出される温泉料理。「安ければいい」っていう悪循環に入った観光」と解説しています。
※文中「     」は、インタビューからの抜粋。


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by AKIO_TAKE | 2022-09-24 15:15 | unclass