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day after day & 武松昭男のphoto日記

10万年の安全 4

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通販生活2023年春号のカタログ冊子からの切り抜きです。
7つの疑問に、2018年まで原子力資料情報室( https://cnic.jp/ )のスタッフを務め、いまは青森県六ヶ所村に建設されている「核燃サイクル4施設」の事業許可の取消を求める住民運動の会で活動している方が回答する挟み込み資料。A4サイズ5ページにコンパクトにわかりやすくまとめられていました。

本資料では「原発は脱炭素エネルギーだというのは本当ですか?」という疑問に対する回答が参考になりました。「原発は二酸化炭素を排出しない」というのが原発建設を推進する上でよく使われる言葉ですが、それを核燃料の輸入という面から考えたところ。日本で使用する原発のウラン燃料はオーストラリアなど限られた国で採掘されたもので、採掘された天然ウランは精錬、濃縮などの加工工程を経てに日本に輸入されます。そして多くの場合、濃縮はアメリカで行われるので、輸送はオーストラリアなどのウラン産出国→アメリカ濃縮工場→日本となります。輸送手段は船です。

精錬や濃縮の工程にはたくさんの電気を使い、船での輸送は石油も使う。つまり、日本国内における稼働状況だけを考えれば二酸化炭素を排出しないという説も可能だが、発電前の燃料の加工、輸送で大量のエネルギーを消費しているので、説明のつじつまが合わないのではという論です。また、輸送時のテロ対策の為の防衛費用も必要だし、ウラン採掘から核燃料としての加工完了までには3年から5年を要すので、安定確保のためにはかなり先までの買い入れ契約を結ぶ必要があるとしています。輸入元のその周辺国の有事や最近は気候変動による災害も見過ごせない状況にあり、その際は輸入そのものが難しくなっていきます。世界平和が不安定になればなるほど、そうしたリスクは増していくばかり・・。

エネルギー原料の輸入と言えば「石油」が真っ先に思い浮かびますが、原発の原料である天然ウランについての話題が上ることは、そういえばとても少ない。
もう10年以上前になりますが、ウラン採掘に焦点をあてたドキュメンタリー映画「イエロー・ケーキ クリーンなエネルギーという嘘」を観たことを思い出しました。
https://www.youtube.com/watch?v=rWMYyb4IL9w



by AKIO_TAKE | 2023-01-25 23:40 | look/gaze