2023年 03月 18日
小さきから、この世界を考える。
著者の松村氏はエチオピアの農村を調査研究対象とする文化人類学者です。日本から遠く離れた小さな農村の暮らしは、じつは世界経済や国際政治、外交と直結して結びついている。その小さな暮らしを通してしか、その大きな動きがもたらした変化のリアリティを掴むことはできないのではないか。そのエチオピアの小さな農村の暮らしはキャプション付きの写真のみで登場し、書かれていることは著者が生まれ育った水俣のふつうの人々が経験してきた歴史を掘り下げたもの。自分が生まれ育った町を学び、そこに日本という国家が民の暮らしに何をもたらしたのか。
世界の大きな動きに翻弄される小さな農村と水俣・・いまこの瞬間も世界を支え、動かしているのは、教科書にも載らない、名も無き小さな人々なのではないか。制度化された空疎な責任が垂れ流される時代、もがき苦しみながらも生きることを掴もうとする異国の人々のまなざしと病の床から投げかけられる言葉に動揺を隠せない。
世界の大きな動きに翻弄される小さな農村と水俣・・いまこの瞬間も世界を支え、動かしているのは、教科書にも載らない、名も無き小さな人々なのではないか。制度化された空疎な責任が垂れ流される時代、もがき苦しみながらも生きることを掴もうとする異国の人々のまなざしと病の床から投げかけられる言葉に動揺を隠せない。
出版社 : ミシマ社
発売日 : 2023/1/20
単行本(ソフトカバー) : 208ページ
ISBN-10 : 4909394818
ISBN-13 : 978-4909394811
by AKIO_TAKE
| 2023-03-18 21:23
| book