栄えある停電であります

2009年制作　82分

韓国・日本合作映画「愛しきソナ」

公式HP　https://starsands.com/sona-movie/index.html

大阪で生まれ育った在日二世の映像作家ヤン・ヨンヒさんのドキュメンタリーの２作目。主に姪っ子のヤン・ソナさんにフォーカスをあてながら、日本と北朝鮮で暮らす家族の日常を描いた作品です。2005年、ヨンヒさんは脳梗塞で倒れた父の病状を伝えるため、2005年に北朝鮮を訪れますが、前作「ディア・ピョンヤン」が原因で2008年に北朝鮮への入国禁止を言い渡されます。そのため、1992年生まれのソナさんと過ごす時間は2005年の訪朝時が最後となりました。この作品のあとに2つのドキュメンタリー作品があるので、そこでソナさんをお見かけできるのでしょうか。

日本のポテトチップスが売っている、ボウリング場がある、外貨レストランでアイスクリームを食べている。この映画で初めて見るシーンです。あの独特なニュース番組を見慣れているせいか、国家元首ばかりを注目してしまいますが、どの国でもある日常を垣間見ることができます。ただ、その日常は国によって様々・・北朝鮮の実情を知ってほしい、そうした願いが込められている作品です。同時に自分の置かれた日常を顧みる機会になる映像だと思いました。

タイトルの「栄えある停電であります」は、幼き頃のソナさんの一言。