2025年 06月 01日
管理される心
映画「あしたの少女」 2022年制作 138分
2017年に韓国で実際に起こった事件をモチーフにして制作された作品。
映画は2部構成で、前半は高校卒業間近のソヒが実習生としてコールセンターで働くも自死に追い込まれていく様子が描かれ、後半はもうひとりの主役である刑事のユジンが労働環境の闇に切り込んでいく創作となっています。
2024年10月19日に投稿(https://tpdws2.exblog.jp/243224684/)した韓国映画「おひとりさま族」もコールセンターで過酷な感情労働をしなければならない劣悪な労働条件下が描かれていますが、本作では高校生が実習生として、あまりにも過酷な状況で働いていることに驚きます。実習生なのに、日々過酷なノルマに追われ、顧客からの言葉の暴力に耐えながら働くが、実習先の営業拠点成績が振るわず、ソヒの面倒を見ていた上司が自殺した後からソヒの心は徐々に苛まれていきます。
感情労働は、つねに自分の感情をコントロールしながら、適正な表情や態度を取ることが求められ、そして顧客が抱えている不満や誤解を解消するという、自分と顧客の感情を同時にコントロールしなければならない、とても高度な技術が要求される仕事です。
正社員を極力少なく雇用し、いつ何時でも代わりの利く実習生を酷使する企業姿勢の実態をあぶりだし、また子供たちを守るべき学校(本作では職業高校)や地方の教育庁も教育予算を削減されないよう就業率という数字に翻弄され、親も我が子の仕事の内実をつかみきれず、若い命を失ってしまいます。
感情労働で心を管理され、理不尽な目に遭い、孤立していく現実を描いた作品です。
2024年10月19日に投稿(https://tpdws2.exblog.jp/243224684/)した韓国映画「おひとりさま族」もコールセンターで過酷な感情労働をしなければならない劣悪な労働条件下が描かれていますが、本作では高校生が実習生として、あまりにも過酷な状況で働いていることに驚きます。実習生なのに、日々過酷なノルマに追われ、顧客からの言葉の暴力に耐えながら働くが、実習先の営業拠点成績が振るわず、ソヒの面倒を見ていた上司が自殺した後からソヒの心は徐々に苛まれていきます。
感情労働は、つねに自分の感情をコントロールしながら、適正な表情や態度を取ることが求められ、そして顧客が抱えている不満や誤解を解消するという、自分と顧客の感情を同時にコントロールしなければならない、とても高度な技術が要求される仕事です。
正社員を極力少なく雇用し、いつ何時でも代わりの利く実習生を酷使する企業姿勢の実態をあぶりだし、また子供たちを守るべき学校(本作では職業高校)や地方の教育庁も教育予算を削減されないよう就業率という数字に翻弄され、親も我が子の仕事の内実をつかみきれず、若い命を失ってしまいます。
感情労働で心を管理され、理不尽な目に遭い、孤立していく現実を描いた作品です。
by AKIO_TAKE
| 2025-06-01 00:20
| movie


