人気ブログランキング |

2017年 11月 25日 ( 1 )

1年以上農作物を栽培せず、数年の間に耕作する意思のない田畑や果樹園を耕作放棄地と言います。食料自給率アップが日本の積年の課題であるにもかかわらず、農耕面積は減少の一途を辿っています。高齢化と後継者不足も背景の一つとされるこの問題を調べていて、そういえば耕作放棄地の再生利用として太陽光発電設備の設置が進んでいたなぁということ、総務省が太陽光発電設備の廃棄に関する調査を行った結果、経産省と環境省に対して勧告を行っていたことを思い出しました。

再生エネルギー設備の廃棄_a0259130_22182027.jpg


平成24年に再生可能エネルギーの固定価格買取制度がはじまってから、太陽光パネルの導入が一気に拡大しました。住宅の屋根にも太陽光を発電するバネルが設置される風景を見かけることが多くなるとともに、広い場所を必要とする売電の投資目的や地域発電の設置場所として耕作放棄地などはまさにうってつけの場所となりました。太陽光発電は環境にやさしい再生エネルギーですが、その恩恵にあずかるにはパネル設備が必要だし、設備である以上、耐用年数や不慮の故障や災害による損壊も考慮しておかなければなりません。

事実、災害により損壊したパネルが放置され、太陽光を吸収して発生する感電事故の不安は完全には解決されておらず、そしてパネルには鉛、セレン等の物質が使用されているものもあり、その取扱いについて地方自治体担当者や事業者、設置者に充分な情報がもたらされているとはいえないとする調査結果があります。2030年代の半ばから使用済みパネルの排出量が急激に増えることが予想されています。それまでに有害物質の使用減量や環境負荷が小さい物質の採用、リサイクルしやすいような素材開発、解体技術が地道に開発されていくと思います。しかし、環境にやさしいの謳い文句の先ある、パネルの適正廃棄、処理を怠ってしまったら、なんのための「環境にやさしい」なのか・・それこそ本末転倒になってしまいます。現在の処理技術にわずかな改善が加われば充分に適正処理できると期待されていますから、臆さず積極的にパネル素材の使用物質の公開をしていただければ真に環境にやさしい再生エネルギーとなるのではないでしょうか。

原発の使用済み核燃料の適正処理が見いだせない今、せめて現行技術の更新で対応できることに向き合うのが、いまを生きる人々の役割ではないかと思います。太陽光パネルのパンフレットスペースの半分を廃棄に関するページに割り当てることを義務付けても良いのでは・・(現実的ではありませんが・・)。太陽光パネルの設置目的はいったい何のためなのか・・今一度、冷静に考えてみても良いのでは、と思います。これまで廃棄処分する側にいた者として、そして再生可能エネルギーの普及を期待している者として。


by AKIO_TAKE | 2017-11-25 23:24 | 環境