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鋭く問われる

ヨーロッパの地方再生の取り組みを取材した書籍で、たくさんの事例はあるものの、そっくりそのまま横浜に当てはめることはできないが考え方や取り組むプロセスについて、参考となった新書。

帯に書かれている「成熟」の答えは、本を開いて早々の「はじめに」を締めくくっている、政府が主導する「上からの地方創生」ではなく、住民自らが取り組む「下からの地域再生」へ。という一文ではないかと思って読了しました。全編を通して「公共事業に依存しない」「開発に頼らず自然や景観を保護する」「地域の生き残り策は自分たちで考えるべき」「主役は現場」というニュアンスが目につき、行政と一定の距離を置くことが地域の再生を可能にしているという紹介の仕方をしています。もちろん、行政や政府と断絶する、相対する、ということではなく、辛いかもしれないけれど自分たちで考えて行動することが大前提で、そのあとに行政の支援を取り付けたり、共同で事業運営することが重要と説いています(街の場所、大小で印象は異なりますけれど)。

基本的にはそりゃそうだよねと思いますが、横浜のような都心部にいると、まず行政の支援を取り付けるというところから話がスタートするケースが多いのではと思います。助成金、補助金ありきの地域活性化がスタンダード・・・横浜と地方では規模感が違うよ、と言われることもあります。人口数や住民にすべきことの課題解決数も多いのかもしれませんが、なにかしてくれなきゃ動かない、まず誰かにやらせて良い事例は巧妙にいただく、という乾燥した地域活性化にウンザリ感を漂わせる市民も少なくはないのではと、この本を読みつつ、そんな思いが頭の中を巡ります。

特に横浜都心部の沿岸地域は観光地としても期待されており、日本国内でも有数な消費地です。そうした特徴があり、内需を担うといえばカッコイイですが、消費するだけの一過性で陳腐な観光地にしてしまっては、そこに住み、働く人は目も当てられません。消費中心の観光地であれど、街の魅力を理解して大切にしてくれる人が訪れる地域にすることはできないものか、と考えさせられる一冊です。どのような価値観を持っているのか、横浜の都心部はそんなことを鋭く問われている気がします。

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by AKIO_TAKE | 2018-05-15 02:26 | book

ベースとなる一冊

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コミュケーションには、自分の能力がごまかしようなく表れる。

第5章「信頼の条件」に登場する、かなり衝撃を受けた一文です。大げさかもしれませんが読書で狼狽えた、そんな記憶が残っています。
今でも言葉の表現方法に迷ったとき、頼りとなるコミュニケーションを向上させるベースの一冊です。


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by AKIO_TAKE | 2018-05-01 21:56 | book
2006年から続けているブログの過去の投稿を読みながら、本書の基本編を読み返しています。
中でも「誰に伝えてますか?」の章は、投稿内容やブログを続けている意義を考え直す機会となりました。

どんな人がこの情報を求めているか、役立てたり喜んでいたりしてもらえるかです。(本文より)

なぜブログを開設して投稿を始めたのか、そして続けているのかを改めて自身に問うてみたいと、そう思います。


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by AKIO_TAKE | 2018-04-15 15:42 | book
情報はタダじゃない、という言葉はもう死語なのか。
それともまだまだ金銭価値のある情報は存在するのか。インターネットの登場で情報に支払うお金は限りなく安価になったように思います。

インターネット接続料やタブレット代等の通信費、設備費を考えれば、そんなことないのではという意見もいただきますが・・その観点ではなく、マスメディア隆盛の時代は「与えられた情報」メインだったのが、インターネット時代になり「欲しい、必要な情報」を探すことが容易となり、欲しい情報の幅、質も広がり、取得するまでの時間が短縮されたことは、例えば生産現場で効率性が良くなったことによるコスト低減と同様のできごとです。そうした意味で情報は安価になった、という一面を持たされるようになったと思います。

他方で、誰しもがある一定レベルの情報を取得できるようになったことで、逆になかなか手にはいらない情報は高値が付くようにもなり、情報操作が横行するという残念な出来事が増えてきました。情報の質は問われずに「発信者が誰なのか」という判断基準が信ぴょう性を担保し、私たちは巧みな情報発信戦略にさらされるようにもなりました。

インターネット、マスメディア、ローカルメディアと様々な情報媒体が身の回りにある豊かな情報受信環境に恵まれている一方で、シャワーのように途切れなく降ってくる情報の取捨選択にオロオロしてしまうこともあります。本当の情報といっても、受信者によって本当の度合いは変わります。これからも様々な媒体から繰り出される情報から、私にとって本当に必要な情報を見つけ出すには、まずは受け身とならず、辿り着いた情報の中身を自分なりに調査するという習慣をつけておくことが必要です。

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by AKIO_TAKE | 2018-04-11 23:21 | book
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社会人たるものは、大人としてどこでも誰にでも合わせられるのが普通。
その普通ができなくて苦しんで、社会不全者として扱われ、なんとなく生きにくい社会を自分でつくってしまう。
ああ、自分にも思い当たるなーと感じつつ、読み進めた一冊。

「今」をかたどっているのは「過去」の積み重ねと言われますが、その積み重ねの一つに親子関係がある。その親子関係の事例を紹介しながら、大人になった今、社会の中の一員として自分の「普通」で生きていくヒント、気づきを拾わせる本だと思いました。

アマゾンのカスタマーレビューを見ていても、自分の心の内を吐露する機会が本当に少ないだなあーと感じます。かなりの部分をうなづいて読み進めていましたし、涙が出たことは、私自身も心情を吐露する機会が少ないことを認めている証拠。

どうしても解決できないこともある、それなら解決できないことを抱えながら目の前のたしかさを少しづつ味わって歩んだって、いいのかなと思う。
ダイナミックで輝かしい人生を送れる人も居る。波のない、静かな毎日がいいという人も居たって、いいじゃないか。。。そう想う。



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by AKIO_TAKE | 2018-03-31 19:14 | book

主体的な学習者になる

全国どの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程を編成する際の基準を定め、これを「学習指導要領」といいます。出典:文部科学省ウェブサイトより

その基準を一部を見直しをして、小学校では平成30年度、中学校では平成31年度から新たな要項で授業が行われます。学習指導要綱はほぼ10年に一度のサイクルで見直しがされていますので、50代半ばの僕が小学校を卒業してから3~4回の見直しがされていることになりますね。社会の変化は早いし、社会から要請される必要な知識、技術、コミュニケーション力等も10年前とは大違いですから、学習指導要綱が変わっていくのも必然なのかもしれません。

改訂された新学習指導要綱のポイントの一つに「主体的・対話的に深い学び アクティブ・ラーニング」の視点が挙げられます。文科省の答申では「質の高い学びを実現し、生涯にわたって脳と能動的(アクティブ)に学び続けられる」ように「授業の工夫・改善をかさねていくこと」としています。ほぼ10年ごとの見直しですから、これからスタートする要項は2030年頃の社会を見通して作成されたものとなります。その頃に今の子供たちに求められる力が「主体的・対話的に深い学び」である、と導き出されたのです。

小中学校のことでしょ、と見過ごしてしまいがちですが、国は2030年頃に必要な人材を社会に輩出するための改訂ですから、10年後には中小企業側もアクティブ・ラーニングの授業を受けてきた人材を受け入れていくことになります。つまり、社員教育に付け加えるべき項目がひとつ増えますが、人材を受け入れる企業の社員(私含め)もアクティブ・ラーナー(主体的に学習する者)に変貌していなければ、話がかみ合わないまま仕事をすることになってしまいます。AI化が進んでいるとはいえ、意思疎通ができなければ仕事になりません。そうした事態は避けなければなりません。今から準備する、それしかなさそうです。

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by AKIO_TAKE | 2018-03-14 22:59 | book
全国大学生協連によると、1日の読書時間について大学生の53%が「ゼロ」と回答した調査を発表しました(神奈川新聞朝刊)。この数値から若者の「本離れ」が進行している実態が明らかになり、調査結果を分析した大学の先生は「大学入学前に読書習慣が身についていない学生が増えている」と指摘しています。
他方、学校図書館協議会と毎日新聞が毎年6月前後に全国の小中学校に対して実施する学校読書調査の2017年平均読書冊数は小学生が11.1冊、中学生は4.5冊、高校生は1.5冊との結果で、2000年以降はむしろ読書冊数は増加している、という報告をしています。(但し、高校生はやや漸減傾向にあるとのこと)

片方は読書時間を軸にして本離れが進んでいるとし、片方は冊数は増えているという報告です。報道や情報の出し方で随分とうける印象は変わるものです。
一冊の読書時間を仮設定して、冊数との関係性から大学生の本離れをどう捉えるか、という検証もできそうですね。

大学生の調査では電子書籍も含めていますが、勉強や趣味などの読む目的や内容がどこまで読書の内容にはいるかは回答者にゆだねているとのこと。
そして、学校図書協議会の調査でも電子書籍に触れており、この電子書籍が特に高校生の雑誌離れが進んでいて、この傾向はいずれ中学生まで及ぶだろうとしており、ここでも今後は雑誌の販売が落ちていくことが予見できます。
さらに2017年の電子版の漫画単行本の推定販売金額が1711億円と、初めて紙の漫画単行本の売り上げ約1666億円を上回り、逆転したと出版科学研究所の調査も朝刊に掲載されていて、これからは読書の方法や媒体の違いで本離れという見方がもっと多面的になりそうです。

データの取り方、情報の出し方、文章の書き方で随分と印象も変わるし、そこから自身の思考が引っ張られていきます。同テーマを複数のデータで比較、検証することも根気が要りますが、多面的に、多様な見方ができるようにと気になったニュースや記事は複数のデータをインターネット等で探して比較するようにしています。

という訳で、今週末の一冊は「2030年 未来への選択」をチョイスしてみました。あっ、投稿ブログとは関連性は少ないのですが笑


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by AKIO_TAKE | 2018-02-27 23:02 | book

暮らしまわりを見直す

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350ページと、なかなか読みごたえのある本です。目次の次頁に著者から日本の読者に次のようなメッセージがあります。
『ゼロ・ウェイストの暮らしとは「考え方」だけではなく、ものの「見方」そのものを変えることでもあります。』

私自身、頭の中に蓄積した学びや考え方を断捨離(だんじゃり)するために、ものの見方を変えてみようという趣旨の本をよく読みますが、ここに書かれていることは「徹底しているなぁ」という印象。これを全て消化するのは並大抵ではないけれど、単にごみを少なくすればいいという主張ではなく、なぜそうするかという理由(わけ)があらゆる角度から示されていることが勉強になります。
初版は2013年ですが、私にとってはこれからでも通用する「ものの見方」のバイブル的な役割を果たしてくれそうです。繰り返します、すべてを消化するのは・・・困難です笑 こっそり、ひとりでこつこつ愉しみながらチャレンジ中!!

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by AKIO_TAKE | 2018-02-07 05:34 | book

表現を深く豊かに

高校の図書館の司書さんと13名の高校生が、読んだ本を対話の起点として語らい合ったことをまとめた一冊。
自分の経験とその本の内容がちかければ友達に勧めるレビューも書きやすいけれど、未知の分野ではなかなか言葉がつながっていかないものです。こうやってブログで自分の関心範囲以外のことなどを発信することも、たのしい練習だし、ゆっくりながらも素養を深められるかなと思って続けています。
自分の言葉で表現する13名の瑞々しい高校生の感性も豊かですし、あとがきの「そして、本を読む<孤独>に浸っています。温かな孤独です。」という著者の言葉はほのぼのします。私もこのような感性を持つ司書さんがいる図書館を見つけられるといいな。

表紙の「BOOK」の異なるフォントも図書館を連想させてくれますね。


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by AKIO_TAKE | 2018-02-01 12:51 | book

書店員さんの欲望

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本作の続編も発表されていますが、著者の小説デビュー作なのでこちらをレジに。
第10回杉並演劇大賞を受賞した舞台がもとになっているお話です。書店員さんの読んでほしいー売れてほしい―をこの週末に愉しみます。


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by AKIO_TAKE | 2018-01-25 23:55 | book